タイポグラフィの奥深さ
僕は昔からアートが大好きで、漫画から始まり、自分で絵を書き、イラストを描き、ロゴを作り、デザインもしています。デザインは、どんどんシンプルになっていきます。自分の好みがどんどんシンプルになっていくんです。それはundetrozeにも色濃くうつっていると思います。
それで行き着いたのが、記号、そしてフォントです。フォントの奥深さを知ってしまった今や、フォント大好き人間になってしまいました。
町を歩いていたらフォントだらけです。いわばデザインの宝庫なんです。あ、あれはヘルベチカだとか、カッパーだとか、ここでこんな風につかうのかとか。
フォントひとつでそのブランドや商品の価値観も概念もかわってしまう。シンプルでいて攻撃力がハンパないです。単純のようで実はめちゃくちゃ奥深いんです。
フォントに纏わる簡単な説明をします。これだけでも知っておけばフォントの見方も変わってくると思います。
まずはセリフとサンセリフ。
上がセリフ書体で下がサンセリフ書体です。(フォントはtimesとHelvetica)
赤く色がついてるのが「セリフ」といい、セリフがついていないのを「サンセリフ」といいます。サンセリフはフランス語でセリフが無いという意味です。イギリスではセリフレス、ドイツではグロテスクと呼ばれています。
歴史的にいえば、サンセリフは歴史が浅いフォントで、19世紀に入ってからだと言われています。逆にセリフ書体は歴史が古く、紀元前から使われています。サンセリフの登場で、見やすくインパクトがある書体はポスターや看板などに使われ爆発的に普及しました。その事からも単純にセリフは由緒正しい、少し悪く言えば古い。サンセリフは新しい、未来的と言えます。
更にサンセリフの中でも幾何学的に特化したフォントがコレ。
極限までに記号化させたフォントです。名前はFutura(フツラ、フーツラ)
ドイツ生まれで誕生は1927年。実に94年前のものですが、今みても未来的、最先端に感じる素晴らしいフォントです。実はVolkswagen(フォルクスワーゲン)や、LOIS VUITTON(ルイヴィトン)がこのフォントを採用しています。ヴィトンは今までの由緒正しいイメージの上に、新しさや常に挑戦していくという意味合い、をつける為に変えたのでしょう。
この事を知るだけでもフォントの見方がかわると思います。このメーカー、ブランドがなぜこのフォントを採用しているのか、意味合いも込められています。ただ普通に町並みを歩いてても、楽しさも増えると思います。