そういえば、神様を見た事がある。
そういえば、4年くらい前に神様を見た。
それは渋谷からバイクで帰ってる時、
代々木上原駅を超え環七までの井の頭通りだった。
信号が多いこの道に僕のバイクの前にスクーターが走っていた。
スクーターは30歳前後の男だった。陽気に鼻歌をうたってた。
信号は赤だった。スクーターはスピードを緩めなかった。
そして信号を見ていなかった。
信号の手前まできた。一向にスピードを緩めなかった。
信号の真下、信号無視だと思った瞬間、青に変わった。
次も赤の信号を真下で青に変えた。
スクーターは顔色一つ変えず、一度も信号を見ず、鼻歌を続けてた。
環七までの信号、それを繰り返した。
僕は信号につかまり環七から見失い消えてしまった。
僕は神様だと確信した。
だが真面目に問うても馬鹿にされると思い人に言ってこなかった。
でも似たような事を体験していた人がいた。
曽我部恵一だ。
彼が見たのは天使だったが、
僕が見たのは神様だった。
そういえば、その日からそこは聖域になった。