最古の記憶

4歳になったばかりの甥っ子のたいちゃんと遊んでた。
仮面ライダーゴーストの変身ベルトで屈託のない笑顔でずっと遊んでた。

この子は死にたいって思った事はきっとほんの1秒だって無いし、楽しい事は楽しいと思えるしつまらない事はやらない。
楽しいと思う事は人を見て判断とかしなくて自分が楽しいと思ったものを純粋に行う。
そんなの当たり前の事なんだけど、そもそもそれが当たり前って、どうして思うんだろう。

歳をもらうにつれて、色々な事を経験して知識を吸収して取捨選択を行う。
その取捨選択は本当に自分でしているのだろうか。
誰かに誘導されていたり、はたまた誰かと比べたりしていないだろうか。

人の行為に良し悪しは無いと思うが、自分の理想は目の前で飛び回っているこの子だなって思って、
心底かっこいいなって思ってしまった。

最近、「最古の記憶は何?」って会う人会う人に聞くようにしている。
大体幼稚園年長から小学生低学年が多い。
自分の事なのにそれ以前の記憶が無いのは、もしかしたら自分の為の期間ではないのかもしれない。

自分の最古の記憶は、おじいちゃんに肩車されてトイレに連れて行ってもらうのが最古の記憶だ。
幼稚園の記憶は、数個、それも断片的な記憶しかない。

たいちゃんと遊んでてこんなに楽しくて、たいちゃんも楽しそうにしてるのに、歳をもらうと、この楽しかった記憶もすっかり忘れ去られちゃうんだなって思うとちょっぴり寂しくなった。

reomasuda